現役医師が考える。令和の医療業界。
現役医師のDr.だだだ です。
平成が終わってもう6日もたってしまいましたが、令和の医療業界がどんな風になっていくか書いていこうと思います。
高度経済成長を遂げ、バブル景気があった昭和。人口対の医師数が少なく人口も激増、経済成長も甚だしかったため、医師が開業をすれば必ず成功しました。医師=金持ちのイメージはこの時代のものかと。
田中角栄の一県一医大構想を受け、各県に最低ひとつの医学部が作られ、医師数は増加。平成になって、出生率が低下したことも加わり、人口対の医師数は激増。また、バブル崩壊による不良債権問題、リーマンショックなど、経済はずっと横ばい。医療の価格表である保険点数は全体としては低下。医療情報がメディアを通して公開されるようになり、患者が医者を選ぶ時代に。
そんな流れを経て迎えた令和の医療業界。
どうなっていくでしょう?
1.競争が熾烈になる。
人口対の医師数が増えると、医師も競争を勝ち抜く必要が出るでしょう。歯科医師は大学の定員増加に伴い過剰となり、歯科医院はコンビニより多いと言われるまでになっています。歯科医師の平均年収は300万円ほど。現在2025年問題(後程記載)に向けて医学部定員を増やしていますが、このままのペースでは、歯科での問題が医師に起こりかねません。
2.人気の医師と不人気の医師の差別化が進む。
近年はマスメディアが、いい病院ランキングを作ったり、名医を紹介したりしています。平成末期から、特に心臓外科や脳外科など、外科医の技術がものを言う分野などで差別化が生まれました。例えば、天皇陛下の手術をした天野先生などの手術は大人気で、順天堂大学のブランド評価もぐんと高まりました。その一方、地方の無名病院の患者数は減少し、心臓外科は閉店何てことも起こっています。
近いうちに、外科学会は日本全国の手術成績を集めて、各外科医の成績表を公表するそうです。患者が一目でいい医師、病院が分かるようになるため、人気不人気の差はどんどん開くでしょう。
3.2025年問題
2025年問題とは、現在50代のハイボリュームゾーンの方々が一気に高齢者になるために、介護、医療サービスの整備が間に合わないということです。そのため、国は巨額の資金を高齢者医療につぎ込んでいます。絶対に高齢者医療分野は、これから伸びます。
ただし、現在50代の人達が亡くなった後には、医療を受ける人口がグッと減るため医療サービスの過剰が予測されます。なので、これこら医療業界で働く人は、2025年問題の波にのり、早期から高齢者医療以外の分野へ方向転換することが求められます。
4.グローバル化が進む。
訪日外国人が急増しているため、医療業界でもインバウンド需要が高まっています。特に、2020年の東京オリンピックでは、多くの医療機関が外国人患者に対応する必要が出てきます。しかし、多くの現役医療スタッフは英語に苦手意識があります。通訳サービスなども実用化されていますが、まだクオリティーに問題が沢山あります。
外国人患者対応のための、通訳、案内サービスなどは、差し迫った需要があると思います。
現在三井物産がアジアで巨大医療グループを作っています。インバウンドだけでなく、アウトバウンド需要も生まれるかと。これは、2025年問題後に伸び悩む医療業界の唯一の希望かも知れません。
まとめ
競争の熾烈化
人気不人気が分かれる
2025年問題で人手不足
グローバル化への対応が必要
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